自然の力、阿蘇山噴火について

今回は、阿蘇山噴火について、お話させて頂きます。

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タイムリーな話題として、2021年10月20日午前、熊本県にある阿蘇山の中岳第一火口で、

中規模の噴火が起きました。元々、阿蘇山は「阿蘇カルデラ」とも呼ばれ、

世界でも有数の大型カルデラ(火山活動でできた大きな凹地)を持ち、

「火の国」熊本県のシンボル的な存在として親しまれています。


今後の噴火動向が気になるところですが、阿蘇山以外も、日本は世界でも有数の火山大国であり、

地震も多く、世界の地震活動のエネルギーの1~2割が集中するほど活発といわれています。

その為、日本の住宅の法律は厳しく、耐震等級設定もクオリティの高いものが求められています。

今回の火山噴火の場合、中規模であったことから16名の登山者もおりましたが、なんとか無事に下山できたようです。

火山噴火の場合、住宅関係での被害は、「火山灰」が多いようです。

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阿蘇山ではないですが、鹿児島の桜島は今も活発に活動しており、時節降灰を上げながら噴火をしている為、「克灰住宅」が注目されています。

「克灰住宅」とは、降灰について家屋内への侵入を防ぐ、雨で流れやすくする、除去作業を容易にするの大きく3つの工夫を凝らすというテーマの住宅で、

窓には気密サッシや2重サッシを使用する。また灰の除去作業を容易にするために灰シューターと呼ばれるものを設置し、

屋根から落ちる灰が自動的に溜まる仕組みにしているようです。


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火山と聞くと、九州方面に火山が集中していて、関東圏等、他の地域はあまり気にしなくてよいと思われるかもしれませんが、

関東圏だと「富士山」や「浅間山」等が活火山にあたり、特に富士山の場合は大規模の噴火が起きれば静岡県を中心に溶岩流により道路が寸断されることや、

東京方面は降灰が予想されるほどなので、霊峰富士と呼ばれる「富士山」も要注意です。

今後、「克灰住宅」という仕組みが広がれば、阿蘇山噴火という突然の噴火が起きても降灰などにも備えられるのではないでしょうか?

近年、地震活動も多い為、台風も重ねて自然災害が多い日本だからこそ、備えるべき住宅の仕組みですので活用できるかと思います。


変化の時、古くなる建物や設備

今回は、古くなる建物や設備についてみていきます。

タイムリーな話題として、2021年10月3日午後、和歌山県和歌山市松島で、

「水道橋」が崩落したという事件が起きました。この水道橋の名前は「六十谷(むそた)水管橋」ですが、1975年に設置、既に約46年経過しており

既に2015年に耐震化工事を行っていたり、再来年まで耐用年数が持つと想定されていた中での今回の事件は想定外であり、

原因は、果たして老朽化なのか、それとも別の問題なのかは不明です。

今後の動向が気になるところですが、今回の和歌山県以外でも同様の出来事が考えられるのではないかとニュースでも話題になっています。


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建物自体、建物の設備の老朽化については、「首都高速道路」も著名かと思われます。

こちらも「水道橋」同様に、開通から約50年以上経過した箇所があり、既に都の整備局は修繕作業を行っています。


「首都高」の正式名称は「首都高速道路」、昭和23年(1953年)に慢性的な交通渋滞の緩和を目指し、「首都高速道路に関する計画」から生まれた道路です。

構想当時は単に1964年の東京オリンピック開催の為だけに作られたわけではないようです。


私もコロナ以前で自動車で出かけたときに、「首都高」を使いましたが、特に首都高を支える支柱の部分や道路どうしを接続する部分を中心に修繕している現場が見えました。

周辺の再開発で増え続ける新しい高層ビルディングの中に、50年以上も立ち続けている「首都高」の雄姿は、

時代の変遷に耐えしのぐ、力強さと50年以上も耐久力があるという日本の技術力の高さとも捉えられるのではないでしょうか?


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日本の建築の用語に、住宅業界の方であればご存じである、「竣工」という言葉があります。

意味としては「住宅が完成する」という意味だけと思われがちですが、「建物は住み続けることで完成に近づいていく」という考えも含まれています。

岐阜県の飛騨高山にある、重要指定文化財「吉島家住宅」の事例のように、柱や梁に塗られた滓漆(かすうるし)、当初は黄色等目立つ色調だったのが、

住む人が何代にもわたって乾拭きし続けたことで、「飴色の光沢(拭き色)」が出てくる、、、竣工とは完成ではなく、むしろ美しさの始まりという捉え方もあるようです。
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上記のように、単に建物が古くなると捉えるのではなく「吉島家住宅」のように「竣工」、完成ではなくむしろ美しさの始まり、

いくつもの時代を耐え抜いてきた力強さと日本の技術力の高さの象徴というようにプラスに捉えられるのではないか、


建物や設備はそんな多面的な側面を秘めるものであるため、今後の水道橋の原因究明の動向に注目です。